田中 肇研究室 ソフトマターの物理 東京大学 工学系研究科 物理工学専攻 東京大学 生産技術研究所 基礎系部門
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水と水型液体の熱力学・動的異常

水と水型液体の熱力学・動的異常 水は,生命活動,地球環境などで極めて重要な役割を演じる重要な液体であるが,その基本的性質は分子間の水素結合という自由度に起因した複雑さのためにあまり理解されていない.よく知られているように,氷への結晶化の際の体積の増大,4℃における液体の密度の最大といった様々な異常な挙動を示す.この起源については,古くから様々な可能性が指摘されているが,水素結合の重要性にはコンセンサスがあるものの,いまだに定説がないのが現状である.液体のもっとも簡単な標準モデルは剛体球モデルであり,これから液体の構造として我々は乱雑かつ一様な構造を連想する.この描像では,液体の状態は密度を指定することで一意的に決まる.しかし,上述の水の熱力学・動的異常はこのような単純な描像では説明できない.この現象の本質を明確に捉えるには何らかの単純化が必要となる.液体の状態を一意的に指定するにはどのような変数が最低必要になるかという問題意識から,我々は,密度に加え,最近接粒子数とのボンドを最適化しようという,液体内の短距離秩序化 (水の場合には,水素結合により形成される局所構造形成) 傾向をあらわすために,ボンド秩序変数を新たに導入した,二秩序変数モデルを提案した.実際,ボンド秩序変数の温度・圧力依存性 (局所秩序化) とその密度との結合により,水,Si,Ge などの水型液体の熱力学的・動的異常が説明できることを示した.

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