液晶・等方液体系の相分離
液晶性物質と等方性液体を混合した系では,相分離と液晶化という二種類の相転移が起こり,互いに競合しながら発展していく.このような混合系は,高分子分散型液晶といった液晶デバイスに用いられることもある.我々は,数値シミュレーションによって,この液晶化と相分離の競合ダイナミクスを調べた.特に,系の流動性に注目して研究を行ったところ,配向場と流れ場の動的なカップリングにより,液晶の多い相が選択的にドロップレットになりやすいことを見いだした.ダイナミクスが相の構造に影響するということは,非平衡状態にあるソフトマターの特徴の一つであるといえる.また,電場を印加し相分離構造の意図的制御に関する研究も行った.相分離の進行中,どういう条件で電場を印加するかによって,相分離構造の制御効率は大きく変わることが示された.
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